強烈なタイトルです。カレーが食べたいを通り越して「カレーになりたい」。
そこまでカレーに魅了され人生を捧げてきた男が、174ページにわたってひたすらカレーについて語ります。
まず幼少時代のカレー店との出会いから始まり、インドや北海道で触れた様々なカレーの思い出、そして東京カリ〜番長の結成とカレーを通じた人との出会いまで。様々なカレーと人との縁が描かれています。
しかし、カレー好きはごろごろ居るとは思うのですが、カレーで「縁」を紡ぐまでに至る人はまず見かけません。(そもそも、筆者もあるカレー店との縁でこの道を進むことになったわけですし)
自分が好きなものに対して本気になり、あらゆるカレーを通じて培った独自のカレー哲学を持ち、そしてカレーを食べる人を思うからこそなのでしょう。
カレーに対して真摯に向き合い、人との縁を紡ぐカレーを作ってきた筆者に、ただただ感動するばかりです。
余談になりますが、筆者のカレーの原則はいたってシンプル。「カレーは香り、うまみ、塩の3要素で決まる」。
巻頭にある丸鶏をまるごと使ったカレーもそうですが、筆者が作るカレーはどれも自由で楽しそうに見えました。むしろ、「タマネギを何時間もじっくり炒めて」「カレールーは数種類をブレンドして」のようなカレー好きの中途半端なコダワリが、逆にカレーを窮屈にしてしまっていたのかもしれません。
もしかしたら筆者のカレーが人を惹きつけるのは、そのカレーが自由だから?なのかもしれません。