いくつかあるカレワラから2つの訳を比較してみましょう。
「
カレワラ物語―フィンランドの国民叙事詩」より
『カモが優美な姿を見せて飛びながら巣を作る場所をさがしていた。
海の上にイルマタルのひざを見つけて巣をかけ、七個の卵を生んだ。
金の卵を六個、鉄の卵を一個。
カモは卵を温めはじめた。
「何が燃えているのかしら」イルマタルはひざが燃え、ひふがごげているのかと思った。
思わずひざを動かしたので、卵は海にころげ落ち、くだけて空にとび散った。
このかけらからできたのが陸、空、太陽、月、星、雲。』
本書の同じ部分の訳
『少し時が過ぎると、一羽の鴨が羽ばたいて飛んできた。
東を飛びかすめ、西を舞いめぐりながら巣をかける場所をさがしていた。
そのとき水の母なる大気の乙女は海の中から膝を押し上げた。
かわいい鴨は水の母の膝を草の生えた丘と思ってそこへ降り立つと巣を作り始め、
六つの金色の卵を産みつけた。
大気の乙女は膝が熱くなり、肌が焦げるのかと感じて思わず足を引き寄せた。
彼女が体をゆさぶったので、卵は水の中へ転げ落ち、砕けて破片となった。
卵の下の部分は下にある大地となり、
卵の上の部分は上にある大空となった。
黄味の上のほうは太陽となって輝き、
白味の上のほうは月となって照らした。
卵の中のまだらなもの、それは星となって大空へ、
卵の中の黒いもの、それは天空の雲となった。
(第一章二三三〜二四四)』
本文中の詩は「
カレワラ 上―フィンランド叙事詩 (岩波文庫 赤 745-1)」
及び「
カレワラ 下―フィンランド叙事詩 岩波文庫 赤 745-2」
に関連付けられています。
読み易さを助けてくれるのが、時々はいる挿し絵ですね
(カスタマーイメージをご参照願います)