最近の、ギラギラしたちょいワル・ちょいモテを目指す一部のオジサンたちに対するアンチテーゼ。 上手に枯れたおじさんに萌える女性は以前から存在したが、この本はそうした女性からの発言集のような体裁をとっている。あまり、物欲や性欲にギラギラしないオジサンには応援歌のようにも見える。
しかし、ちょいモテ・ちょいワルを標榜する雑誌やメディアが実は物販の「広告」に過ぎないのと同じ意味合いで、この「カレセン」にもある種のマーケッターの恣意が見え隠れしている。冒頭の座談会で、「十代の頃から枯れたおじさんに萌えていた‥」と出席者が発言しながら、その座談会には十代の女性が居合わせていない。それはちょうど「あなたは知らないだろうけど世の中では‥」と訳知り顔に喋る発言者の「勢い」だけで、聴衆に対して情報の信頼性を担保する例の「遣り方」とおなじである。
勿論、本書の企画者や編集者達がそうしたことを意図しているものではないと思いたいが、もし、この本を10代女性達の座談会から開始していたら、もっと面白くてインパクトのあるものになったにちがいない。その点が非常に残念である。