本書には6回予定の講義のうちの5回分の講義草稿−軽さ、速さ、正確さ、視覚性、多様性−に、その講義の前/後に語られたかもしれない草稿−始まりと終わりーが「補遺」として加えられ収録されています。
和田忠彦さんは「解説」で“まずは一度全巻を通して、次いで、・・・この「始まりと終わり」から読み始はじめて第一回にもどる、そんな読み方をしてくださると、いっそうカルヴィーノの意図に近づくことができるのでは”と言っています。
そして私は本書を読んだ後、「持っているカルヴィーノの著作をもう一度読み返した後、この本に戻って来たいな」と思いました。
他分野にわたる評言や自己について語る様は、その意図することのすべてを私が理解できているわけではありませんが、彼の文学への取り組み姿勢や文学の持つこれからの可能性を強く感じさせるものです。
カルヴィーノの作品を呼んだことのある方にはもちろん、文章の書き手、読み手にかかわらず、文章に正面から取り組んでいる方にお勧めの一冊です。