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また本書には、『ルネッサンス』以降の話もふんだんに盛り込まれている。日本独自の慣習をプラスに評価し、無理に変えなかったことが再生の秘訣だったというゴーン本人の述懐や、フェアレディZの復活に代表される新車の開発、環境問題に関するスタンスなど、前著では触れられなかった内容も数多い。
しかし、本書の真髄は、ルノーと日産のアライアンスのあり方に代表される、今までのM&A(合併と買収)にはない方法論を明らかにしている点であろう。カルロス・ゴーンに関する類書でも触れられているが、2社の補完的な関係は、20世紀型の企業合併や買収とは視点が異なる。お互いに成功を目指す、ひところ流行った言葉でいうところの“Win-Winの関係”は、ともすれば理想論にも聞こえるかもしれない。しかし、この提携により目指すところをゴーン自らの言葉で明確にしている点が、本書の魅力のひとつだといえよう。
本書を読むにあたっては、「日産リバイバル・プラン」や「クロス・ファンクション」などといったゴーンの経営に関するキーワードについて、断片的にでも知っていた方が読みやすい。ゴーンの人生そのものに興味がある人だけではなく、報道されてきた、ルノーと日産の提携に関する一連の話題を、ゴーンの視点で改めて総括したいという人におすすめしたい本である。(朝倉真弓)
内容(「BOOK」データベースより)
内容(「MARC」データベースより)
出版社からのコメント
本書は、AFP通信前東京支局長フィリップ・リエスがインタビュー形式でまとめたものです(原著『CITOYEN DU MONDE』はフランスのGRASET社より刊行)。ゴーンの経歴を追いながら、高収益を育む企業文化をいかに築くか、勝つための経営とはどのようなものか、様々なエピソードとともに彼の哲学を浮き彫りにしていきます。
「企業を弱体化させる因子は、必ずといっていいほど内部にあります。……国やその他の機関からの援助によって、実際にはかえって改革を遅らせてしまうこともあります」
「私の頭にある経営者像は単純です。それは、企業の過去も未来もあるがままに引き受ける人間です。経営者たるもの『着任前の状態があまりにひどかったので、もう一時しのぎをする以外打つ手がなかった』などと言うことは許されません」
本書は、本人の生の言葉が伝わってくるところに最大の特長があり、さらにリエスが行間を巧みに補い、非常に読みやすい経営書に仕上がっています。日産というまさに日本を象徴する会社の再建劇を内側から描いた本書は、改革を迫られながらも何も出来ずにいる多くの日本企業・人・社会にとって、まことに示唆に富む内容と言えるはずです。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
1954年生まれ。99年6月、日産自動車COO。2001年6月より日産自動車社長兼CEO
リエス,フィリップ
1948年生まれ。82年、AFP通信入社。経済部デスク、東京支局主席特派員(85~89年)、香港総局、東京支局長を経て、2003年9月よりブリュッセル支局長
高野 優
1954年生まれ、早稲田大学政治経済学部卒業。フランス語翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)