自著も含めてカルロス・ゴーン関連の書籍は多数出版されているが、本書では、カルロス・ゴーンがどんな言葉を使って人や組織を動かしてきたかが端的にわかるところに特色がある。「ルールはただ1つ。聖域、タブー、制約はいっさい設けないということだ」「会社のために自分が何をすべきかを考えず、他人が何をすべきかを語ることに時間を費やす―― これでは企業には死があるのみだ」「透明性、権限委譲、成果と測定―― この3つがやる気を起こさせるための原則である」「答えは、社内そして皆さんの手中にある。皆さん1人ひとりが会社の将来に必要不可欠なのだ」。ここでリーダーの言葉や思考に必要なものが学べるだろう。また「解説」では、単なる説明にとどまらず、メッセージの意味を膨らませて日本的な企業経営の悪弊を突くなど、歯切れのいい経営論になっている。
語録というスタイルは、どんな文脈で語られた言葉なのかわかりにくいのが難点だが、編者の解説によりその点はある程度カバーできている。カルロス・ゴーンのメッセージはそれだけでも普遍性があり、とくに「再生」を求める企業人の心に深く染み入るはずだ。(棚上 勉)
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