今回ハピネット社から再販された盤に関して、確認できた事を書きます。
以前の東北新社盤は以下の3つの点で不満の残る物となっていました。
1)本来85分のはずの収録時間がPALマスター変換により4%早回しされ81分になっている。
2)スタンダード(1:1.37)で撮影されたフィルムの画面比率が16:9に変更されている。
3)不必要と思われる男性性器へのぼかし(修整)処理。
2)に関しては今回本来のスタンダードサイズに訂正されていて、上映時と同じ
画面比率で物語を楽しむ事が出来るように改善されたのは喜ばしい限りです。
3)については日本の法規制の部分で及び腰になる部分は理解できるのですが、性的な
部分を全面に押し出した作品ではなく、無修整でも問題になるような事はないはずです。
1)については以前のものもそうだったのですが、やはり残念な処置。
その旨をパッケージに記載する等の配慮が欲しかったです。
次世代ソフトを発売する際にこの辺りの課題を是非克服してもらいたいものです。
画質は、無理な16:9対応ではないためか、概ね不満のない品質と思われます。
最近の高画質ソフトを見慣れた向きには多少不満な部分もありましょうが、
屋外の撮影部分などに関しては人物、衣装とも自然な色調に好感が持てます。
室内の光量の少ない部分で多少暗部がはっきりしないシーンがいくつかある程度。
この『カルメンという名の女』オペラとしても大変有名な『カルメン』を下敷きに、ときには
それを逸脱するかのように自由に翻案されています。『カルメン』を主題とした物語は
チャップリンやルビッチ等多くの監督によってもさまざまな形で映像化されています。
ゴダール本人も気に入っていたというプレミンジャーの『カルメン』(1954)
あたりと比較してみるのも一興。