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12 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
現代日本の精神史にも踏み込んだ良書,
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レビュー対象商品: カルト資本主義 (文春文庫) (文庫)
カルトな経営者や科学者を取り上げているが、単に面白半分に書き立てるのではなく、全体を関連付け、現代日本精神史の大きな流れの中で理解しようとする姿勢がある。これだけで十分というわけではないが、参考文献が充実しているので、さらに自分で踏み込んで行こうという人にも親切。今の日本を理解する良書。
32 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
日本的経営にひそむ胡散臭さ,
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レビュー対象商品: カルト資本主義 (文春文庫) (文庫)
題名と内容には違和感があるが、幾つかの日本的経営者あるいは経営観といわれるものにありがちな、「胡散臭さ」を、新進気鋭のジャーナリストが検証した本書は、中々センセーショナルな内容となっている。京セラの稲盛和夫、船井総合研究所の船井幸雄、あるいはソニー、科学技術庁の中にまで、妙なオカルト的な精神論、神憑り的な経営論がまかり通っているとの主張だが、思い当たるフシも多く、読むうちにちょっと空恐ろしさを感じてくる。 「ねずみ講」と変わりないといわれるアムウエーを、まともな企業として認知してしまう日本の風土には、得体のしれないインチキ臭い経営論を、受け入れてしまう幼稚さの素地があるからだ。 世界的にも認知された代表的日本企業の経営観にも、ある意味ではオーム真理教的な、不思議なオカルト思想に支配が見うけられると、本書は言うのだが、一寸過激すぎる主張と思わないでもない。 それにしても「成長の家」思想で膨張を続け崩壊したヤオハンとか、鉢巻きをした職員に預金獲得の決意の誓いをさせていたバブル時代の都市銀行等々、日本にはこの手の、幼稚な精神論とビジネスを結びつけてしまうシステムがビルトインされているという指摘には、ややもすると時には精神論だけで経営を語りがちな企業経営者は、耳を傾ける必要があるかもしれない。
44 人中、34人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
文学と理工学の間にあるもの,
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レビュー対象商品: カルト資本主義 (文春文庫) (文庫)
経済学とは、人々の心の中にあるものが資本、お金となって数値化される(と錯覚されている)ため、理工学的な学問として取扱えるような気になる。しかし、理工学を含めた自然科学には再現性が必須であり、そこに繰り広げられる事象は人々の意思や気持ちとは無関係でなければならない。一見当たり前のことであるが、人々の気持ちや思想にかかわる「文学」に近い「経済学」が、あたかも「自然科学」の範疇として取扱えると思われているところに、悲劇の根本があるように思えてならない。経営者や企業は、その「理念」を元に行動をしている。そこには経営者の「カリスマ性」や創業者「理念」が色濃く反映され、それが駆動力となって企業活動が行われて、社会還元されるのである。そういった意味では、どの業者も著者のいう「カルト性」を持っていると思われる。問題は、その「理念」が社会規範に照らし合わせて「常識的」かどうかであろう。その最終判断は司法が行うことになるのであろうが、著者の本書での警告は、その前になされたものであり、「個々人が思考停止に陥ることなく、個を確立する必要がある」との主張、全くもって同感である。 私は著者の作品を初めて読んだが、本書から「自然科学を捉える常識的な目」を持った優れたルポライターであると感じた。著者のような冷静な視点を持つ著者は現在の日本では稀になっているのではないだろうか。そのことに日本の将来の危惧を感じざるを得ない。
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