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カルダーノ自伝―ルネサンス万能人の生涯 (平凡社ライブラリー)
 
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カルダーノ自伝―ルネサンス万能人の生涯 (平凡社ライブラリー) [新書]

ジェローラモ カルダーノ , Gerolamo Cardano , 清瀬 卓 , 沢井 繁男
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

性狷介にして行状あくまで奔放、その往くところ論争、喧嘩また騒動。しかし、亡児を想い、持病を気にし、守護霊にすがる日々もある…八宗兼学のルネサンス人が波瀾の人生を克明に綴った自伝文学の傑作。改訳決定版。

内容(「MARC」データベースより)

性狷介にして行状あくまで奔放、その往くところ論争、喧嘩また騒動。しかし、亡児を想い、持病を気にし、守護霊にすがる日々もある。八宗兼学のルネサンス人が波瀾の人生を克明に綴った自伝。改訳版。〈ソフトカバー〉*

登録情報

  • 新書: 370ページ
  • 出版社: 平凡社 (1995/04)
  • ISBN-10: 4582760937
  • ISBN-13: 978-4582760934
  • 発売日: 1995/04
  • 商品の寸法: 16 x 11 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 809,214位 (本のベストセラーを見る)
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By 穴熊
形式:新書
ジロラーモ・カルダーノ(1501-1576)が晩年に執筆した自伝である。「ルネサンス万能人の生涯」という副題が訳者によって付けられている。「ルネサンス万能人」といえば誰でもダ・ヴィンチを思い起こすが、「あとがき」によれば、カルダーノの父はダ・ヴィンチの友人であった。
たしかにカルダーノの活動は、父の著名な友人に劣らぬ多彩なものであった。本書45「著書 − その執筆年代および動機と評判 ―」に挙げられているちょうど100の著作は、「数学」「天文学」「自然学」「道徳哲学」「医学」「神学」「占い」そしてその他の「雑纂」に分類されている。「雑纂」の中身がまた多様で、いくつか面白いものを挙げると「ソクラテスの熱中について」「名士の書について」「賭事について」「いかさまについて」などがある。
たしかに1日に10時間眠り、40年以上チェスに、25年以上骰子遊びに「毎日」時間を浪費しつつ、これだけの著作を書くというのは並大抵な人間ではない。

もっとも、著作のリストを目にして読者が感じるのは、「万能人」という穏やかで神秘的な印象とはほど遠い、ある種の猥雑さといかがわしさであろう。
カルダーノは自らに守護霊がいることを信じ、様々な些細な出来事の中にも大事件の兆候を読み取った。その中で最大の災厄は、彼の長男が産褥の妻に毒を盛った罪で(濡れ衣か?)処刑されたことである。さすがのカルダーノにもこれはたいへんこたえたようで、本書の中でも長男の死にしばしば言及している。
自らの特異な才能に関する自覚と自負は、37「天賦の才と夢見る才」、38「5つの天性による救い」、43「超自然的な才能について」にまざまざと描かれている。たとえば、彼は100回以上、人間の声で話す鶏の夢を見た。また、彼の耳には彼についての人の噂が文字通り飛び込んできた。しかも、噂の善し悪応じて耳からの入り方が違っていた。(なんとも重宝なことだ。)

本書にはまた古代作家を模した人文主義的な格言が散見されるが、カルダーノの格言はエラスムスやモンテーニュのそれに比べて、古典的な均整を欠いているものが多い。以下、(まったく個人的な理由から)気に入ったものを2つ挙げる。
「生存の因子には最高7つの要素がある。空気、眠り、運動、食べ物、飲み物、薬、節制。種類は15ある。空気、眠り、運動、パン、肉、乳、卵、魚、オリーブ、塩、水、無花果の実、ヘンルーダ、葡萄、味のきつい玉葱。」(8「食生活について」) − それにしても、なぜ、ヘンルーダや味のきつい玉葱なのだろう。
「ものの考え方を変える要因は3つある。年齢と幸運と結婚である。」(50「座右の銘と息子に寄せる挽歌」。因みにこの訳に関しては、榎本恵美子・青木靖三が訳したように、「幸運」ではなく「運」としたほうが良いように思われる。) ― 真偽はともかく、結婚式のスピーチに使える。

ルネサンスという爛熟した時代が作った特異な怪物を、われわれは本書を通じて観察することができる。幸か不幸か、このような人間にわれわれはもはや会うことはない。
なお、先に触れたように、本書に関しては、榎本恵美子・青木靖三による『わが人生の書』という題の訳も出ている。2つの訳を部分的に読み比べてみたが、とくに優劣はつけがたかった。
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