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カルタゴの運命
 
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カルタゴの運命 [単行本]

眉村 卓
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

歴史SFの金字塔!ぼく。松田裕。三十一歳。フリーター。アルバイト誌の変な求人広告に惹かれて応募したぼくは、好奇心にかられて、その人間文化研究所なるところへ出掛けて行った。合格したぼくに、その研究所の川崎一郎と堀ナツエの二人が告げたのは、これからある“ゲーム”に参加するのであり、正規メンバーの自分たちのほかに、チーム員として手助けしてくれる人間を求めていたのだ、ということであった。補助員となったぼくが時間航行して仕事をするのは、紀元前のポエニ戦争当時のカルタゴだという。そして最終的には、紀元前197年のカルタゴの勇将ハンニバル暗殺を阻止する、という計画だった。ぼくともう一人の補助員飯島隆男は、ドイン・ドマングッテ(川崎一郎)とエンノン・シャピスナー(堀ナツエ)とともに、第一次ポエニ戦争開戦三年めの紀元前261年のカルタゴに飛んだ…。カルタゴと勇将ハンニバルの生涯を雄大なスケールで描く話題作!SFの新たな地平を拓く著者会心の力作巨篇。

内容(「MARC」データベースより)

紀元前、ポエニ戦争でローマとその存亡を賭けて戦ったカルタゴと勇将ハンニバルの生涯を雄大なスケールで描いた、長編歴史SF。

登録情報

  • 単行本: 845ページ
  • 出版社: 新人物往来社 (1998/11)
  • ISBN-10: 4404026862
  • ISBN-13: 978-4404026866
  • 発売日: 1998/11
  • 商品の寸法: 19 x 14.4 x 5 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 699,619位 (本のベストセラーを見る)
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形式:単行本
長いこと意識していた作品だった。でも分厚さから読むのに踏み切れない時期が長く続いた。よーやく入手し、仕事が超忙しかったけど、合間の時間をフルに動員して一週間で読了した。「もっと早くこの作品を読めばよかった」と食わず嫌いを悔いた。

ポエニ戦争について、(主人公「ぼく」と同様に)当方もハンニバルとスキピオぐらいしか知らなかった。(そんな読者が多数であることを見越して?)聞きなれない人物の血縁や業績についてやターニングポイントになる事件について、主人公「ぼく」が丁寧に反復して説明してくれている。眉村先生が若い読者でもテンポ良く読めるように配慮してくれた親切描写が心地よかった。図々しいようだが、年表や人間関係図や(戦争中の)軍団配置図なども掲載されると、より読みやすかった。

かなり前だけど、セガのテレビゲーム 「アドバンスド大戦略」のキャンペーンモードにはまっていた。ナチス・ドイツ軍を指揮し、連合国に勝つのが最終目標。ただし、各シナリオごとの勝敗によって、次のシナリオが変動する。過去のシナリオには戻れないという仕組みだった。作中では、囲碁が例示されているが、「アドバンスド大戦略」のキャンペーンモードのほうがイメージしやすかった(どーやっても勝てないところが特に!)。歴史を変えるのは本当に難しい。

当方が、2011年3月10日に行き、東北太平洋沿岸部を辻説法して巡回したとしても、誰にも相手にされないだろう。いくら戦争の敗因を知っているとしても、風来坊の辻説法では誰も相手にしてもらえない。地位と権限のある人間に信頼されるだけの実績が不可欠だ。戦争直前に出現しても手遅れだ。戦争には相手もいる。内輪もめに付け入られたり、物量で圧倒する作戦もある。歴史の将来の展開を知っていても多勢に無勢だ。

それでも、同じチャンスがあれば、読者の誰もが「ハンニバルが戦争に勝利し、カルタゴが地中海の覇者になる」ことを望み、全身全霊を捧げると思う。歴史を変える魅力は何にも変えがたい。主人公「ぼく」と同様に、当方もハンニバルの勝利を願いながら読み続けた。カルタゴ滅亡より千年以上後だが、東ローマ帝国もコンスタンティノープルの陥落で滅亡した。織田信長が好んで口ずさんだ幸若舞の敦盛の一節を、ハンニバルが聴いたらどう思うか気になった。

長い旅路の終着点で、主人公「ぼく」が、望む時代・望む物を訊かれるシーンがあった。自分だったらどうするか考えた。普段の日常でいいじゃん。過去にフラれた女性と結婚したって幸せにはなれない。もし望みがあるとすれば、健康にかかわることだけだ。「物理・化学の教科書の数行の記述が、一人の科学者の一生だ」という話を聞いたことがある。個人の一生で出来ることには限界がある。歴史上の大イベントの当事者になれた経験を記録として残せるだけで十分な名誉だと思う。

比較的なじみの薄い時代であるにもかかわらず、壮大な国家の興亡をテンポ良くドキドキしながら読める展開に星五つです。分厚いですが、途中で挫折する心配はゼロです。
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By 馬場伸一 トップ500レビュアー
形式:単行本
歴史好きが高じると、「歴史が動いた」現場に行って、「現場を見たい」という気分になるものである。そういう気分というものが割と普遍的なものであることは、「歴史の現場」を疑似体験させてくれるテレビ番組に人気があるということでも伺える。
で、さらに歴史好きが高じると、なろうことなら歴史に干渉してみたい、歴史にちょっかいを出してみたいという気分にもなる。

本書は、歴史好きのそういう「気分」に答えたものである。
「歴史の現場に見に行く」というかなり特殊な欲望を、小説という形でかなえたものだ。
だから、歴史好きにとっては800頁超えという「ぶ厚さ」も苦にならないであろうと思われる。
が、そうでない向きには、面白さは保証しかねる。

もともと歴史関係の雑誌に連載されていた本書は、まさに、歴史好きの、歴史好きによる、歴史好きのための小説と言える。
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