ただいま超スランプ状態のブライアン・デ・パルマ監督の快心の力作。またアル・パチーノの演技も絶品。ショーン・ペンはこの頃から徐々に頭角を現し始めていた頃なので、まだ少し青臭さが残っていますね。
人生を修復し堅気を目指す孤高の男を、こういった役を演じさせたら右に出るものはいないであろう、アル・パチーノが快演。自分の信念と親友に対する義理の中、葛藤しながら自分であるがための道をすすみ、破滅えと向かっていく男を熱演。男なら彼の生き様にはきっと憧れを持つでしょう。
重厚なドラマながら、映像の魔術師と呼ばれるデ・パルマならではのカメラワークも冴え渡り、アクションは控えめながらも緊迫感は充分で、最初のバーのシーンの乱戦の始まるまでの描き方はもう緊張感ありすぎてドキドキでした。ラストの地下鉄のチェイスも、彼を待つ女性とのカットを交互に持ってきて時間に切迫されながらも絶体絶命の状態から必死の逃亡を図るカリートの姿にまさに手に汗握る展開。もっともそれらのシーンが生かされているのが、それまでの人間ドラマが丁寧に描かれているからであって、デ・パルマの構成力が成しえた傑作でしょう。
またこの作品にはまだ日本では無名に近い状態のビゴ・モーテンセンがワンカット出演してます。ほんの一寸の出なので彼のファンはがっかりするかもしれませんが、それがきっかけでこの名作に出会えるのだからラッキーですよ。