書店にて『カリスマ入門』というビジネス書の体裁をした本を手に取るも
次の瞬間には、そのタイトル自体に違和感を覚える。
『カリスマ入門』? カリスマって入門できるものなの?
しかし、本書の前書きには自信満々で、こう記されています。
「カリスマ性は獲得可能であると断言するのが本書の役目です」。
もしそれが真実ならば、こんなに画期的な本はないでしょう。
では果たしてどのような方法で?
疑心暗鬼のまま読み続ける読者に前書きはこう続けます。
「俳優・タレント・ミュージシャンなど
古今東西のカリスマによる発言を分析し
彼らが活用している自己演出術を解説しています」。なるほど。
では、そのカリスマというのは具体的に誰のことを指すのでしょう?
気になった読者は更にページをめくり続けます。
本書には数多くのカリスマ達が名を連ねていますが、その一部を抜粋すると
・押尾学
・石井竜也
・おちまさと
・西野亮廣(キングコング)
読者はここで気付きます。「そういうことか」と。
この本は、カリスマ達が週刊誌のインタビュー等にて実際に発言した
いかにも彼等らしい、カリスマでなくては発言できないような
カリスマ臭プンプンの超カリスマ的発言を抜粋し
至言だらけの彼等の言葉の中でも、とりわけ一般読者には理解しにくい
ありがた〜いありがた〜いメッセージの部分にアンダーラインを引いて
それについて仔細な解説を行うというかたちで
「カリスマとは何か」について解説してくれると同時に
「こんなんでいいなら明日から俺もカリスマだわ」と
読者に自信さえ与えてくれるという、とんでもない内容の本です。
更に言うならば、読む人によっては
当初はカリスマを目指す気満々で本書を手に取っていながらも
読み終わる頃には「俺はカリスマになんぞならなくていいや」と
カリスマの価値自体を見切らせる可能性さえ持っています。
「カリスマ」という言葉が浸透して幾星霜、日本中の
「カリスマ観」にパラダイムシフトを起こさせかねない
驚愕の200ページ、爽快な愛と悪意の1300円。