タイトルが小説のようで、内容も物語風ですがビジネス書です。
本書のキーワードはイノベーション(変革)であり、テーマは下記だと思います。
・イノベーション(変革)をどのように起こすのか?
・イノベーション(変革)をどのように継続して起こすのか?
本書は上記テーマを実現するために必要な7つの要素(能力)について、
各章毎(7章立て)で解説してありました。
上記テーマを実現するために必要な7つの要素については、本書を読み進めると、
実は発行元であるIBM(IBCS)自身の取り組み事例が多いことが分かります。
好意的な解釈をすれば、実践済みの施策の紹介という位置付けになるのかもしれません。
ただ、本書のベースには、IBMが行っているという世界のCEOに対するインタビューの
分析結果と、当然ながらIBCSのノウハウもあると思いますので、最近増えてきた物語風の
構成の書籍でありながら、納得感の高い内容にはなっていると思います。
本書は最初に前提として「本書はイノベーションの原則を提示したものであり、
具体的なハウツーを書いたものではない」と断ってある点をしっかり意識した上で
読む必要があると思いました。あくまで”原則"です。
上記前提も踏まえ、原則という観点では、システムと業務プロセスの関係性の捉え方や
経営層の位置付けの捉え方等については、本質を押さえていると感じました。
ただ一点、第3章は恐らくIBM自身の事例が前面に出ているせいもあるとも思いますが、
各論すぎて他とレベル感が違うように感じました。
7つの要素に共通しているのは、主に経営基盤(仕組み)に焦点を当てている点だと
思います。そのため、変革が求められる(求められている)組織に属している方が
どの視点に着目し、施策を講じるかを意識する際には有効かもしれません。
本書は、経営層や事業企画(開発)関連の組織に所属する方、もしくは
コンサルタントにとっては、手に取る価値がある書籍だと思います。
内容はあくまで"原則"が展開されているので、その原則を実業務や経験を
元に具現化できてこそ、そしてそれを施策、アクションに結び付け、さらには
検証を行う所まで持っていけてこそ、本書の本当の価値が生まれると思います。