鉄道デザイナーという職業があるというのは知らなかった。すぐ読み終わる本だ。2章構成になっている。第1章は「作品集」。著者の代表作である様々なデザインの電車(ディーゼル車もあるが)の写真が、オールカラーで載っている。新書なのにちょっとお高いのはこの部分の印刷によるものだろう。外観だけでなく、内装も多彩。床がフローリングになっているものも珍しくない。和の要素を取り入れてあるものもある。首都圏の通勤電車も、もう少し工夫できないものだろうかと思った。
後半は「仕事の現場」。印象的だったのは、デザインの際に念頭に置くこととして、「好み・趣味・アートは二の次、三の次とする」と書いている点。だから、自身のことを「アーティストではなく、デザイナー」だと述べている。プロフェッショナリズムが強く感じられる。「色」なら何色を使おうと予算にそれほど差が出ないとか、機能への考慮、飛行機と同等以上のものを目指してきた、活字にする大切さ、デザインを形にしてくれるチームへの感謝といったことも綴られている。そして、仕事についての考え方や、人の育成、文化についての持論を述べている。