電撃ホビーマガジンでの連載をまとめた書がついに発売!「カラー版」とあるように連載時にはモノクロだった図版(デザイン画や玩具写真)が美麗なカラーで大量に掲載されており、それだけでも買う価値は十分あると思います。
村上氏が超合金を通じて玩具業界に挑戦し続けてきた経緯がインタビューを交えて分かりやすく説明されており、氏が日本のアニメ、特撮作品にどれだけ新風を起こし影響を与えてきたかがよく分かる。
自分を含め当時のガキンチョ達は、村上デザインにいつも魅せられてきた。それまでの漫画的なデザインとは明らかに違う「工業製品としての玩具デザイン」にいつも痒いところをムズムズと刺激されてきた。あの頃の村上デザインは一つの頂点に達していたのだ。
作品の増加と共に玩具デザインも臨海点に達した時、氏は一線を引くことになる。それからというもの玩具業界はインフレを起こし続け、1つの作品で何十点もの商品を送り出すようになってしまった。その元凶を作ったのも村上氏ではあるのだが、昨今の状況にはいささか食傷気味である。
久しぶりにロボットデザインとして参加した「機神大戦ギガンティック・フォーミュラ」における氏のデザインは、マジンガーを思わせる極めてシンプルなものであった(本書にもイラストが掲載)。それは、複雑化する現代のロボットデザインに対するアンチテーゼだったのかもしれない。本書を読むと余計にそう思えてくる。脱出の糸口はこの中にこそ、あるのだ。