最近で有名な戦場カメラマンというと、右寄り思想で面白い文章を書く、宮嶋茂樹氏が有名でしょう。本書の筆者である石川文洋氏も、ベトナム戦争などをくぐり抜け生き抜いてきた、日本を代表する従軍戦場カメラマンです。本書は、ベトナムやカンボジアで亡くなった日本人ジャーナリストたちや、先に亡くなった家族を供養するための四国八十八カ所巡りを、きれいな写真とていねいな文章で日記しています。ベトナム戦争、それに続くカンボジア紛争では、本当に多くの日本人ジャーナリストが現地で亡くなっています。映画化され有名なカメラマンの一ノ瀬泰造さんも、石川さんとは懇意でした。本書では、沖縄出身らしい石川さんの朴訥としたやさしい人柄が写真と文によく表れています。巡礼中の四国の人たちとのふれあいも、とても暖かいものに感じました。後半、石川さんが心筋梗塞になって心臓が止まってしまい、どうなるかと心配しましたが、奥様同伴で無事八十八カ所結願となりました。石川文洋さんをもっと知りたい方は、「戦場カメラマン」をぜひ読んでみてください。悲惨なベトナム戦争のなりゆきと戦争の正体が、若い時の石川さんの写真と文章でストレートに表現されています。
石川さんにはどうかご健康で長生きしていただき、これからも私たちに石川さんのすばらしい写真と、人生の挑戦を見させていただきたいと願います。石川さん、ありがとうございました。