わずか数行でさえ、最先端の情報が満載され、最高水準の技術が説明されている反面、執筆陣の意図通り、中学生から大人までわかりやすく読みやすい構成になっている。やや雑誌に近い感覚で、カラフルな豊富な図も効果的である。日本が独裁国家だったら、発禁本になっていただろうと思わせる箇所も沢山含んだ面白い内容もあり、実際、核融合研究の重要な一部は米国では軍事・政治の関連で以前は最高機密事項であったようである。現在、そうした枠が外れ、かつ予算も付いて世界最高水準の研究が実行可能なのは米露仏日の4大国のうち、日本とフランスだけとなってしまったようである。日本では殆ど知られていないが、フランスの核燃料再処理がなければ日本の電力供給システムはストップしてしまうし(EDFの友人にパリで“日本人として感謝しています”と言ったら、とても喜んでいた)、フランスは日本と並んで原子力研究の最先端におり、日本の先を行っている可能性もある。
つまり、本書はまず日仏関係者が読むべきものであり、財政上の疲弊と軍事上の機密制限があるかもしれない米露がしばらくこのままである以上、この先方針さえ間違えなければ私達2国の間には広大な明るい未来が待っている。その点仏語に迅速に翻訳されるべきで、日本ばかりかフランスの青少年達の知的好奇心をも十分に刺激する書物であり、日本ですべての中学・高校の学校図書館に配布されてもおかしくない。核融合関係は、単にエネルギーにとどまらず、宇宙の創生発展から国際政治関係まで非常に広い領域を含み、一般の人達は核分裂と核融合の違いさえわからないうえに、日本ではそれらへの反発感が根強い。まさに蒙の状態であり、本書によって蒙が啓かれることを願ってやまない。
Ce livre merite sans aucun doute d’etre lu non seulement au Japon mais aussi en France.