この山渓カラー名鑑シリーズは内容の高さと圧倒的なボリュームにあるといえます。この本も長年にわたり、質・量を超えるものが出ませんでした。今回の増補で近年発見された新種が追加され、また、過去の種類も近年の分類の再検討などで変更があった点を反映してます。ただ、ハマベノギクギク属など3属がシオン属に含まれていないこと。ハクサンチドリ属がorchis属のまま。ウバユリがユリ属のまま、アマナがツリパ属のまま。細かいことですが、これらは古い分類見解で、近年使われなくなりつつあります。分類体系もエングラーの分類から移行期の中で最近は大きく変わってきています。できれば、全体をその流れに沿った分類で改定をして欲しかったと思います。が、今回の改訂で近年の知見が加わることでこの本の価値はいっそう高まったといえるでしょう。製本も耐久性をアップしたことはすばらしいです。他のシリーズも新版を出して欲しいです。