このアルバムはある種の傑作かも…。自分にとっては早くも2006年を代表する一枚。全体を通してファンキーハウス、ボッサ、ブレイクビーツが展開し、男女のソウルフルなボーカルが乗る。五感に響くリズムとメロディーの完成度は高く、現実と非現実の狭間のような空間を演出してくれる。心地よさの反面、斬新さは少ないないかもしれない。しかし、「音楽を聴くことが好きで良かった」という喜びを再認識させてくれるという意味で、まさにマスターピースなのだ。
自分が聞く限りでも、FPMからジャミロクワイ、アナンダプロジェクトまで、さまざまなアーティストからの影響が垣間見られ、それを良しとするか否かで判断は分かれるかもしれない。しかし、ステレオから「salesman」が流れた瞬間、そんなことはどうても良くなってしまう。カッコいい!単純にそれだけ。ボッサもいい。個人的にはホラン(女性)とアレックス(男性)の情感豊かなボーカルはあまりにツボ。ボーカルハーモニー、本当にぐっとくる。無駄のない絶妙な音の作りが素晴らしいのはもちろん、切なくもさわやかな韓流的なメロディーラインが何気に合っているのが不思議。
FPMやMfloの紹介、テイトウワとの共演といった事実はさることながら、客観的に見て、韓国産という理由で敬遠するのはあまりにもったいない。洋楽的でアンダーグラウンドの面影を残しつつ、ポップでアジア的な香りを放つ楽曲群は魅力的だ。もしかしてこれは、アジア発クラブミュージックの一つの到達点なのではないだろうか…。ステレオから流れる音楽に耳を傾け、踊りながらふとそんな気がした。