乗り移ったのは「小林真」という自殺したばかりの14歳の少年。ところが、真は絵を描くのが得意な以外は、親友と呼べる友だちもいない、冴えないヤツだった。父親は自分だけよければいい偽善者で、母親はフラメンコの先生と浮気中。しかも、好きな女の子は、中年オヤジと援助交際中ときた。しかし、ホームステイの気楽さも手伝って、よくよく周りを見回してみると、世界はそんなに単純じゃないってことが次第にわかってくる。
森田芳光の脚色で映画化もされた、多くのファンをもつ1冊である。著者は、講談社児童文学新人賞受賞作「リズム」でデビューした児童文学界のトップランナー、森絵都。シナリオライターだった著者による本書は、生き生きとしたセリフが心地よく、軽快なテンポで一気に最後まで読ませる力をもっている。そして、周りを見渡せばすぐにいそうな登場人物との距離感が、物語をよりリアルにみせてくれる。
中学生が主人公である本書は、中学生に読んで欲しい本ではあるが、「世界はたくさんの色に満ちている」というテーマは、どの世代にも共感できるもの。かつて中学生だったすべての大人にもおすすめしたい。(小山由絵) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
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でもこの本を読めば分かります。そんな風に悩む自分はおかしくないし、むしろ普通なんだってこと。見渡せば不器用で頼りないけど一生懸命、自分を支えてくれるひとたちがいること。
僕たちはみんな、前世の記憶を消され、生きることの意味を教わらないまま、期間限定でこの体にホームステイさせてもらっている。どうせ数十年の期間限定だ。傷つき苦しみながらも自由に生きたらいい。
悩める中学生に是非読んで欲しい本。非常に重要で重いテーマなのに、軽快にさらりと読めて前向きな力が湧いてきます。人生にちょっと疲れた僕たち大人にもおすすめです。
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