全11話の短編集だが、第一印象は話の展開が上手いなと思ったこと。次から次へとそう感じる作品ばかりで、結局最後までこの印象が揺らがなかった。全話で巧みなショートストーリーを楽しむことができる。もちろんラヴである。つまり、小粋な恋愛物語を実に心地よく堪能できる作品ということ。過度にベタベタしておらず、さり気なくアプローチしているのになかなか気付かないニブチンな主人公に若干業を煮やしつつもさらっと告白したり、主人公が女友達と話し込んでいるのを見て嫉妬してみたり、軽い挑発で主人公の本当の気持ちを吐き出させたりと可愛らしいヒロインが多いのも好印象。主人公の方も、友人の姉や兄貴の恋人、さらには従妹に兄嫁といったちょっぴり背徳感のある相手を好きになったりして楽しませてくれる。どの作品も短編のまま終わるのが勿体なく、せめて前後編でもいいから続きが読みたいと思った。ややソフトな画風で、情交シーンもさほど激しいものではないが、充実したラヴストーリーとして楽しめる作品である。