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カメラ・オブスクーラ (光文社古典新訳文庫 Aナ 1-1)
 
 
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カメラ・オブスクーラ (光文社古典新訳文庫 Aナ 1-1) [文庫]

ナボコフ , 貝澤哉
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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登録情報

  • 文庫: 365ページ
  • 出版社: 光文社 (2011/9/13)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4334752365
  • ISBN-13: 978-4334752361
  • 発売日: 2011/9/13
  • 商品パッケージの寸法: 15.4 x 10.8 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 336,627位 (本のベストセラーを見る)
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22 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 ロシア語版原典からの初めての邦訳 2011/9/22
By 遠近法 トップ1000レビュアー
 『カメラ・オブスクーラ』(1933)は、ナボコフが33歳のときにロシア語で書いた小説ですが、これまでの邦訳書である川崎竹一訳『マグダ』(1960)はフランス語訳からの重訳、篠田一士訳『マルゴ』(1967)はナボコフ自らが英訳したバージョンからの訳であり、ロシア語版原典の翻訳は本書が初めてということになります。
 美しい少女と中年男の関係をめぐって展開される『カメラ・オブスクーラ』は、筋からしてナボコフの代表作『ロリータ』を思わせますが、他にも類似点が少なくなく、1955年に発表される『ロリータ』の原型的小説と言えるでしょう。
 『ロリータ』や他の後期作品に比べると、ずいぶん読みやすい作品なので、『青白い炎』や『アーダ』などの難解さに接してナボコフに苦手意識を抱いた人にも、楽しめる内容ではないかと思います。
 もっともそれは、熱心なナボコフファンには物足りないといった意味ではありません。緻密な細部の描写や巧妙に運ばれるプロットなどはお手の物で、私はナボコフらしい独特の言い回しに出くわすたびに、「ああ、ナボコフの小説だ」と嬉しくなって、思わず何度もほくそえんでしまいました。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 二つのテーマ 2012/1/25
By ringmoo トップ1000レビュアー
「ロリータ」の原型と言われる作品で、非常に修辞的な表現が多い文章で書かれています。

絵画評論家で名を成した人物が、十六歳の少女に翻弄され、家庭をも崩壊させてしまう物語です。

タイトルの「カメラ・オブスクーラ」は、写真機の原型になった視覚装置だそうで、小さな穴から取り入れられた光が壁に虚像を結ぶものだとか。
その意味を知るとこの物語のタイトルが「カメラ・オブスクーラ」と言うのは、非常に意味深く思えてきます。
この装置を通して見ている像はあくまで「虚像」です。
終盤に絵画評論家が全盲となり、少女から部屋の説明を聞く場面があります。
そこで少女は実際の色とは異なった色で説明します。
評論家にとっては、少女の説明の是非を判断すべくもありません。
これと似たようなことが、現代社会の多くの場面で起こっているような気がします。
TVの「やらせ」などはその典型で、見る側にとっては、その真実性を知る由もありません。
そう考えると、この作品は単なる少女の魅力に惑わされた中年男の話と言うのとは、ちょっと違ってきます。
そうしたテーマの二重性が、読むものを魅了してやまないのかも知れません。
このレビューは参考になりましたか?
14 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 訳が。。。 2011/10/31
By creep
生真面目で裕福な男が、奔放な少女に性に翻弄され、
少女と他の男の密通に苦しみながら、身を滅ぼしていくという話。
何かに似ていると思ったら、谷崎潤一郎の「痴人の愛」だ。

もっとも、「痴人の愛」の主人公は独身であり、
同作は「少女を自分好みに調教しようとして、結局は男が少女に調教される」
という、性的な魅力の恐ろしさに主題が置かれている。

これに対し、本作の主人公には貞淑な妻と内気な娘がいる。
主人公に裏切られた妻は廃人と化し、娘は幼い命を落としてしまう。
それでも主人公は、奔放な少女の性に憑りつかれ逃れられない。
主人公は、その背徳の罪深さに比肩すべき、あるいはそれ以上の強烈な報いを受けることになる。

筋書き自体は分かりやすく、修飾も難解ではないのだが、
訳があまり良くないのではないかとと思う。
私はロシア語どころか英語も読めないので、原文に忠実かどうかはわからないが、
いかにも翻訳という感じで、できない中学生の答案のように、
日本語としてギクシャクしていて、文章を味わおうという気になれない。

ロシア語をすっきりした日本語に訳すのはなかなか難しいようだが、
トルストイの米川正夫訳などを見ると非常に日本語としても洗練されている。
ドストエフスキーも、好き嫌いはともかく、亀山訳が爆発的に売れているようである。
訳者の力量を問われる言語なのだなあと実感する。
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