私は変移抜群刀霞切りや飯綱落としを実写で見られたことには感謝でした。(霞切りの上空からの撮影は勘弁でしたが)ラストの十文字切りはなかなかでした。
あと月日貝の下りはよかった。
しかし…まず最初の白土先生の漫画をそのまま使った紙芝居的なオープニング…初っ端から手抜き感が否めません。 そしてやはりワイヤーアクションとスローモーション、不自然なCGにはいらつきを禁じ得なかったです。 まあ実際の早さでは見えないのでしょうが…。 体術や走り、泳ぎも、人間離れしているはずの忍びの凄さがまるで出ていないし。ましてカムイは天才忍者なのに、どう見ても雑魚忍と同レベル。
しかも最後、不動は生きながら鮫に喰わせるはずなのに十文字切りで即逝ってしまった…。 不動が「殺してくれ」と懇願するまで苦しめ、抜け忍を裏切って罪なき者を皆殺しにした報いを受けさせるこの場面をこうも簡単に省略されたのは許せませんでした。
不動を惨殺しても拭えない空虚感、信じた者に裏切られ、大切な人々を失った悲しみ、安住の地などなかったという絶望感、親しくなった者が皆、自分の巻き添えとなってこの世を去っていくと言う自責、さまざまなものを背負って、カムイはスガルの島を去る………………ラスト、明るい砂浜を駆け回るカムイにそのような悲壮感がほとんど感じられませんでした。
寡黙なカムイですが、その辺の表現だけでもきちんとして欲しかったです。原作だって殆ど喋らないし、ナレーションや吹出しが多いわけじゃない。しかしカムイの孤独や葛藤が伝わってきたもんです。まして生身の人間が演じるんだから、役者に語らせろと言いたい。松山君はいい役者なのに全然良さが出てない。
全てにおいて監督の「こんなもんやれば上出来でしょ」って気持ちが伝わってきました。 カムイ伝の圧倒的に深いテーマと三部に別れる長大な物語をたかだか90分で語るのは端から無理だし、この監督に忍者は無理だよ。人間もやめた方がいい。「シートン動物記」のCGアニメがいいよ。
あとエンディングの曲…、女子高生ウケでも狙ったのか?エロかわいい必要ないだろ。自己陶酔した耳障りな歌い方に余韻に浸ることすらできませんでした。