当文庫本には「舞様」「草薙」の二話が収録されています。五巻でその生死が分からなくなっていたカムイと百日のウツセのそれぞれのその後に当たります。カムイはある村で村人達から「舞様」とあがめられている少女に命を助けられます。舞様とは村から保護を受ける代わりに川が氾濫したときは率先して人身御供にされる少女。カムイは「先代」の舞様と顔見知りだった…という過去話。生きることとよく生きることとの違いについて短いながら重い会話が印象的な一篇。ウツセは奇妙な剣の構えをする少年と旅の途中に知り合います。剣術家であった父から教わったものでそれを頼りに父親を捜しているのだという。ある藩の農民一揆の首領がその奇妙な構え「草薙」をしていることから二人は親子だと確認する。一揆が終わったら二人で暮らそうと言っていたものの藩兵によって一揆は鎮圧され男は処刑される。処刑される前に男は自分は実は父親ではないといい、真相はウツセに聞くよう言い残す。ウツセは自分がまだ父親代わりの不動とともに旅をしていたときに殺害した一人の武芸者のことを思い出す。父の仇討ちというベタなテーマながら白土三平と赤目プロにかかると壮大なサーガになる、という印象です。