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主人公と白オオカミの名に「カムイ」(神)という比較的知られたアイヌ語を使用している点、その白オオカミのエピソードにこの巻ではかなりのページ数を割いているのに連載途中から全く登場しなくなってしまう点など、この歴史的大作も連載途中で大幅に構想が変更されたことを伺わせる。
当時はまだ、後に「子連れ狼」をものする小島剛夕が画を担当していて、後年の、三平翁の実弟である岡本鉄二の手になる同作第2部や「カムイ外伝・第2部」以降(何れも『ビッグコミック』掲載、但し中断したまま)の凄絶な筆捌きに惹かれた向きには、正直見劣りするかもしれない。だが、連載開始がまだ劇画黎明期の1964年ということを考慮しないとフェアじゃないし、このギネスブックものの大量の登場人物を描き分ける小島の能力は端倪すべきものだ。
カムイを始め本作の実の主人公である庄助や竜之進らの出自や入り組んだ相関図などの基本線がこの第1巻で粗方描写されているので、40年経って未だ『第2部』が連載中(?)という長大なストーリや登場人物の些細なセリフなどを理解する上でも、絶対持っておくべき1冊だ。ずっと後の巻を読んでいる途中で度々開くことになるに違いないから。
劇画を小説と比較することにはいろいろ問題があると思いますが、つまらない小説を読むよりはずっと面白いですし、もっと率直に言えば、大抵の日本文学(歴史小説)は「カムイ」のレベルには達していないと思います。かなり長いですが、劇画ファン、時代劇ファンでなくとも、一読の価値があります。
必読書、という言葉を添えて、推薦致します。
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