ケリーのRiverside,VeeJayへの吹込みに比べVerve盤に対する印象は薄いと云わざるを得ない。世界初CD化ということであるが,今までCD化されなかったのも致し方ないことであろう。同じVerve盤なら翌1964年吹込みのIt's All Rightの方が発売当時も評価が高かったように思う。
ここではIt's All Rightと同様Burrell,Chambers,Cobbという気心の知れた仲間との共演であるがC.Ogerman指揮のストリングス・オーケストラが加わっている。ストリングスに偏見を持っている訳ではないが,ここでは成功しているように感じない。最短2分,最長でも3分10秒という短い曲を11曲with stringsで聴かされるとかえって不満が募り,コンボのプレイをじっくり聴きたいという気になってしまう。
1965年のWes MontgomeryとのSmokin' at the Half Noteでは好演を聴かせてくれたケリーだが,既に往時の強烈なスィング感は失われつつあったと感じざるを得ない。RiversideのKelly Blue('57),VeeJayのKelly at Midnite('60)を知った上でBGMとして聞き流すには適しているがそれにしても11曲で27分余というのは短すぎる。せめて同時発売のUndilutedとの2in1にすればコストパフォーマンスも我々の購買意欲も少しは上がったのにと悔やまれる。