僕は、家族にカミングアウトできていないゲイです。
両親の「孫に絵本を読んで聞かせたい」という希望。
祖母の「孫の結婚式が見たい・ひ孫の顔が見たい」という希望を、昔から浴びて育ってきたから。
そしてなによりも、自分が愛されて育てられてきたことを、心の底から実感しているから。
いつか言わなきゃ、いつか言わなきゃ、と、思いながらも、言えないまま、ここまで生きてきました。
この本には、そんな「いつか」を経験した子どもと親が、或は、生徒と教師が、
自分がゲイであること・自分がレズビアンであることを語った「いつか」のことを、
思い返しながらやりとりした手紙が収められています。
こんな自分だけど、あなたと一緒にこれからも生きて行きたい。
どんなあなたでも、あなたと一緒にこれからも生きて行きたい。
そんな風に互いを想いやり、確かめ合い、新しい関係を、これまでの関係を、これからも生きていくこと。
カミングアウトをするということは、大切な誰かと一緒に生きていくことを考えるための、
行為であり、プロセスである。そんなことが、この本には書かれています。
この本手紙を書いた人たちは、あなたにとっては他人かも知れないし、あなたの家族に、
或は友だちには、こういう“問題”を抱えている人は、なかなか“いない”かも知れない。
けれども、これらの手紙は、確かに、いつかの僕へ、そして、いつかのあなたに向けて
書かれた手紙でもあります。
LGBT当事者の方は勿論ですが、特に、お子さんをお持ちの方・いつか子どもを育てたいと
考えている方には、読んで頂きたい本です。
僕も、「いつか」の自分のために、そして、「いつか」の家族のために、この本を大切に
していきたいと、考えています。