学生たちが制作する映画「タイクツな殺人者」というのが「人殺しを経験してみたかった。人を殺したらどうなるか、実験してみたかった」という、2000年5月、愛知県豊川市で実際に起きた老婆刺殺事件の犯人である男子高校生の証言を手がかりに作られています。
不条理殺人が題材であり、重いテーマも内包していますが、学生達による映画製作の過程、クランクイン直前の緊迫感、彼らの映画への純粋な情熱。そして、恋と友情が交錯する青春映画としても、とっても面白い。
「ザ・プレイヤー」「ベニスに死す」「アデルの恋の物語」などへのオマージュ(パロディ?)ゴダール、ヒッチコック、コッポラ、カラックス、タランティーノ、等々の監督の名が飛び交う小ネタも映画ファンのオタク心をくすぐります。(笑) 実際はもっと細かくて複雑なんでしょうけど、製作時のスタッフたちの精神状態や考え方、感性のぶつかりあいなど、映画製作の過程を疑似体験できるという面もあります。
学生の物語なので、若手の俳優(35歳の大学生役の田口トモロヲもいますが)が大勢出演しています。それぞれ個性的で良かったのですが、中泉英雄という新人俳優が素晴らしい!! また、吉川ひなのが、適役というか、圧倒的な存在感で本当にスゴかった。
現実なのか映画なのか? あの迫力と観客を惑わすラスト。また、エンドロールに付随する映像も圧倒的です。