東北の農村の、気を抜くと森に侵食されてしまいそうな一軒家に住まっているということが、この作品を無二の猫漫画にしています(「リトル・フォレスト」読者にはおなじみの光景)。
普通は「飼い主と猫との世界」が最大のテーマになりますが、本作ではその小世界をくるむように、遥かな奥行きを持ち、多種多様な動植物を擁する森が存在します。気象に翻弄される作者や、リスやヘビやサワガニと異種生物間交流するカボチャの姿を見ると、飼い主と猫の関係性を越えて、もっと大きな視点を獲得できるのではないでしょうか。
あ、カボチャはそんなことは意にも介せず、幼猫の無鉄砲さで行動半径を広げていきます。くるくる変わる表情や、日々逞しくなる成長っぷり(野生化とも言う)を見ているだけでも十分ほのぼのできます。ヤマネコを家畜化したのがイエネコだと言いますが、案外その境界は低いのかもしれません。