たまたま社員旅行で沖縄に行き、国際通りの土産物店で購入。買って良かった。
あとで調べると作者さんの本業は紀行ライターで、「オキナワ宿の夜はふけて」を一読した限り、遠い離島へ躰とコストを掛けて行くその行為の割に、自己陶酔が極端に少ない人だ。新聞社と雑誌編集部で鍛えた人らしく、伝えるべき差異や空気に瞬時に気付き、それをどう伝えるかに心を砕く誠実な文章を持っていて、その文章の土台に「面白さ」をのっけたらカベルナリアさんになった、という感じがする。
そのカベルナリアさんが、18年という長い年月をかけて集めた沖縄の珍広告やら看板やらを集めた、要はVOW!の沖縄ヴァージョンがこの本。さすがに全て面白いかといえばそうではなく、折角の文章を増やせばいいのにという思いもあったので、あえて星は4つにした。
とはいえ、沖縄が本土の人間の想像を超える場所だということは、十分過ぎるほど伝わってくる。何せ子供標語の手書き看板一つとっても、限られたスペースの最後になると極端に字が小さくなっていったり…大人の人たちは「レイアウト」の必要性とか教えてあげないのか?あと「パラーディナー」ってどんな意味?!
横断幕の幅広い活用から発展する沖縄式一回勝負インフォメーション、子供より親たちが壮絶な宮古島の運動会、空気を読まなさすぎる喫茶店のオバちゃん…ところどころに入る、これらのネタを扱ったコラムを、つい繰り返し読んでしまう。こんな人とこんな場所があったっていいじゃないかと思うし、歩行器を使って美味しいものを食べに来るお婆ちゃんの話も好きだ。
あと、沖縄在住の友人・トベセイウチさんがコメント作業やイラストに協力しているが、写真をめぐる掛け合いが面白い。