実に実に良い本です。実に面白いんです。とても面白く、興味深く、それでいて沢山の問題提起が含まれている、非常に素晴らしい本だと心底思います。
新聞の書評を見て、すぐに買ってみました。著者の名前も知らないし、翻訳の江川さんの名前をみて「あのジャーナリストの?」と不思議に思ったくらい何にも予備知識がないまま読みました。370Pくらいあって、長編です。ずっしりきます。それでも、あっという間に読み終えてしまうほど、続きが気になって仕方ないほど、面白いんです。
中身は、女性ジャーナリストがアフガニスタンのとある本屋の家族と生活を共にし、家族の様子を様々な視点からまとめたノンフィクションです。アフガニスタンの女性といえば、「ブルカ」と呼ばれる頭から体をすっぽりと覆うもののイメージが強いですが、ブルカの背景や、ブルカを脱いだ時の、本来の女性の姿がとてもリアルに描かれています。ブルカは女性蔑視の象徴とも思えますが、イスラム社会における女性の扱われ方が非常にリアルに、そしてあからさまに描かれていて、何も知らない私にはかなり衝撃的です。男性中心の社会において、イスラム女性たちがいかに虐げられているか、そして、どれほど自由が奪われているのか。男女平等が進んだ日本でのほほんと暮らしている私には、読んでいて辛く、衝撃的で、そして理解に苦しみ、憤りを感じることが沢山ありました。
この本ではイスラム女性の生活が中心になってはいますが、アフガニスタン情勢や、国際情勢、イスラム教など、様々な内容も含まれ、複雑で分かりにくい問題が、すーっと理解できるようにもなっています。江川さんの翻訳は思った以上に読みやすく、初めての翻訳とは思えないほどです。
とにもかくにも、素晴らしい本だと思いました。自分ひとりが読んでも世の中の何が変わるわけではないですが、ぜひとも一人でも多く(特に男性)の方に読んで欲しいと思います。