南の島の主人公と本島からやってきた女性とのラブストーリー。
確かに2人の物語としてだけ読めば、良い作品なのだが、
読み終わったあとに気分は晴れず、かえって悪くなってしまった。
それは、物語のなかにリゾート開発は人々を幸せにするという
人間(作者)の傲慢さがにじみ出ているからだと思う。
その気分の悪さは物語の後半で主人公に開発に反対していた自分を
反省させるくだりに最高潮に達する。
人間“だけ”が幸せになれば、海や山が破壊され汚されてもいいの
だろうか?
過疎化が進み人がいなくなり島が元の持ち主に返される。それが自然
の摂理ではないのだろうか。
読み進むうちに島の情景や神が近くにいる生活が感じえられる物語。
リゾート開発はその総てを打ち砕く。
一度壊した自然は二度と同じ姿には戻らない。
2人が島に帰ってきても幸の好きだった島はもうそこにはない。