単行本を文庫化したモノかと思っいていたら、2008年に翻訳された比較的新しい本です。
翻訳は岩波の文庫と比べても劣ってませんね、スッキリしてる感じがする。
あとがきでそれぞれの短編について2,3行づつの訳者の感想が述べられていたり(最初に読まないほうがいいと思うけど)、
カフカの文章の特徴とかも具体的に書いてるので、カフカ初心者向けの本でもあるといえます
内容は「断食芸人」「判決」「流刑地にて」「巣造り(巣穴)」の中編4つをメインに、21編の短編や断片が収録されています。
「狩人グラフス」とかは岩波だとひとつの短編として収録されてるはずですが、今作では正しい「断片の状態」に戻されていたり、
「流刑地にて」も、日記からそれに関連する断片が3つぐらいおまけに収録されていて、事細かい配慮がうかがわれます。実におすすめ。
(ただし1巻と3巻は違う訳者で、そちらはまだ読んでないので2巻だけの話です)
とりあえず作者に習って1行感想を・・・
【牢獄の一室〜】食料を入れられる穴がなまなましい。【アマチュア競馬〜】某国民的作家がカフカは比喩として解釈しちゃダメと言ってたけどこういうのや「公園の薮」とかもすごい比喩っぽいというか象徴っぽく読んでしまう。【白馬〜】警官が白馬の所有者を待っている時間のことを考えた。ただ待ってる時間のことを考えた。【中庭への扉〜】妹が扉を叩いたかどうかも分からないのはどうかと思った、という下らないコメントをしそうになった。【商人】なんか急速に収束するような感触。好き。【狩人グラフス】これ面白そう。もっと書いて欲しい。断片で終わってる。【判決】有名な作品だけど、とにかく「急転直下」のひとこと。パパの騒乱ぶり。・・・etc