興味ない方は、実際確実に「寝ます」。
なんとも、不可思議な映画ができました。
だって、原作がそうなのですから。
カフカの未完の長編不合理小説、主人公Kになんらかの
思いいれ、なつかしさがある方は、お奨めかもしれません。
映画史上、現代人の孤独と不安、非合理を描いた作品は
実はさまざまに登場してきましたが、カフカの原作を
完全映像化した本作は、その原典と言ってもいいと思います。
感情のないプロット、突然現れる状況転換、状況設定。
観たことのない役者たち。美男子でも美人でもない役者
が、意味不明なストーリーの中を、永遠に次から次へと
登場しますが、しかし、彼、彼女の存在と、その意味、意義は
本人も、誰にもわかりません。Kは、そんな街に突如出現し、
測量技師と一応言われて、助手たちも到着しますが、しかし、
Kも、彼の周りの人間も、恋人も、関係をもつことはいつまでも
できないまま、物語は唐突に終わります。というか、終わりは
なく、暗転して終了します。
娯楽性、合理性、米国実利主義とはまったく無縁な、しかし、
なぜか、現代の我々がおかれている状況のエッセンスを抽出し、
その原作をそのまま忠実に映像化した、現代ドイツ映画の俊英の
メルクマール的な収穫です。ということで、私は個人的に好きです。