いよいよ大群に関わる戦いに終止符を打つべく応援に駆けつけたカピンと共に共闘するテラナーの活躍を描く大長編SFスペース・オペラ宇宙英雄ローダン・シリーズ第285巻。本巻の執筆者は、練達の中堅エーヴェルスと期待の新鋭ヴルチェクです。人類支配を企む叛乱軍コントラ・サイノスの対応に追われるローダンに懐かしいカピンのガンヨ、オヴァロンの戦隊が応援に駆けつける。お馴染み宇宙の漫才コンビが大詰めの局面も何処吹く風と、お笑いを一手に引き受けて届けてくれます。
『カピン戦隊』H.G.エーヴェルス著:本編にはロルヴィクの命を狙う謎の暗殺者が登場し、タッチャーらはゼロ時間デフォルメーターで過去界での冒険に旅立ちます。またもやタッチャーの傑作なお惚け振りを紹介します。惑星パルチザンの命名の由来は我々がゲリラ部隊だからだ、と聞いて「本当に?私はずっと正規軍に属していると思っていました」と返して大爆笑を誘います。『苦悶の声』エルンスト・ヴルチェク著:3444年1月、ローダンが執政官選挙戦で苦戦している頃、地球に宇宙から謎の宇宙船が漂着しつつあった。惑星アスポルクから出発した乗員は苦悶の声という謎の存在に精神を占領されていた。本編は冗談が全くない重厚で魅惑的なSF中編で、新鋭ヴルチェクの確かな才能と実力が遺憾なく発揮されていると思います。
本巻の翻訳者、五十嵐洋氏のあとがきは「果してロワ・ダントンは細胞活性装置保持者なのか?」という氏の長年の疑問に対して、ややこしく矛盾する記述に迷いながら検証した自論を述べられています。本当に長かった大群サイクルの完結にお疲れさまと声を掛け、本巻から新たに始まった魅力的なサイクルの開幕を祝い今後大いにワクワクさせて楽しませてくれる事を期待したいと思います。