まず読んで数ページで読む気が失せた。
戦前から20世紀までのカニバリズムに走った連続殺人鬼について各々述べた本であるが、真面目にKの問題に取り組もうとする人にとっては信用のできない著述が多く見られる。いわゆる「アンデスの聖餐」事件を「ラジオも食料もなく・・・」という一文は誤りで、彼らはラジオも持っており、1週間で捜索が打ち切られることをラジオで知っている。
また第一次大戦後のドイツのフリッツ・ハールマンの相棒グランスの服役後をよく調べもせず「彼は今もまだ存命かもしれない」と結んでいることには、著者は本当にジャーナリストなのかと疑いを持たずにはいられない。
パリの佐川一政事件についても、事件後、三島由紀夫の自決を含めて、殺人やカニバリズムに寛容な日本人マスコミにもてはやされたと書き、れっきとした知識も教養もある日本人が読めばこの本をまともに読もうとする意思をなくすのは明らかである。
「第二次大戦中に日本人兵士が捕虜を食べたという」記述もあり、日本人に対してプロトタイプな意識しか持っていないこの著者にはうんざりさせられる。
「FBI心理分析官」で有名なロバート・K・レスラーが序文をわざわざ書いているが、彼を批判するつもりはないが、彼の名声によって、この本に対する賛辞には惑わされないように願いたい。