政治家としてのアタリ氏が膨大な資料と知識に基づいてこのような本を執筆したということに
大いに関心をした。政策家とはまた違った側面を見た思いがする。それと同時に、時代や社会に対する
新しい視点を与えてくれたことに大いに感謝したい。本書は多くの人に、知的興奮を与えるのは
間違いない。
当初、タイトルからは内容が全く想像できなかった。最初は難解な言葉とひたすらカニバリスムについて
語られる気持ち悪さがあったが、次第にアタリがそれを通して語りたいことが明確になっていき、
大きな驚きと興奮へと変わっていった。カニバリスムという一般には単なる野蛮行為としてしか見られていない
行為の背景となった思想や概念が実は現代にも通じており、そしてそれが未来をも形作る可能性があるということを
本書は示唆している。医療関係者・政治家・経済学者・科学者には大いに興味をそそられる内容と思う。また、
それらと関係しない一般の方々にとっても大変興味深い本である。
訳者のあとがきに「フランスでベストセラーとなった」とあったが、大いに納得のいく本である。何度でも
読み返したい。星の数で評価すると5つが最大でそれ以上つけられないが、他の5つ星本より高い評価を与えたい
ほどである。