カトリック教会の最新版カテキズムに準じた、カテキズム教育用の教理問答集。膨大な分量になるカテキズムの内容を、598の質問と答えの形で解説している。本文の章や節ごとに古典的なキリスト教絵画が美しいカラーズ版で挿入され、それぞれに丁寧な解説が書かれているのがいい。こうした絵画を通して、カトリックの信仰が過去から受け継がれてきた信仰の上に立った今も生きる信仰であることが理解できる。
カトリックのカテキズムに準拠した教理問答集としては、ドン・ボスコ社から出ている「カトリックの教え―新カテキズムのまとめ」がわかりやすく、短時間で読める小冊子という意味でも優れていたと思う。カトリック教会の教えについて簡単に手っ取り早く知りたい人は、「カトリックの教え」を読むのが一番だろう。だいたい2〜3時間もあれば読めてしまうものだ。
では「カトリック教会のカテキズム要約」の意義はどこにあるかというと、内容的にはよりカテキズムに近い精密さを持っている点だ。はっきり言って、カテキズムを読み通すことはなかなか難しい。しかしこの「要約」なら、最初から最後まで、時間さえかければ誰でも読み通すことができると思う。しかもそれで、カテキズムに書かれていることの大半は網羅されているのではないだろうか。より詳しいことを知りたいなら、各質問の下に振ってある数字を頼りに、カテキズム本文を参照すればよい。この数字を見ていくと、この「要約」が文字通りカテキズムの要約であることがわかる。カテキズムの構成に従って、数字が小さいものから大きなものに並んでいる。
普通の人にとって、この「要約」さえあればカテキズムは不要だろう。「カトリックの教え」が840円、この「要約」が1,260円なのに対して、カテキズムは3,780円もする。どうしてもカテキズムでなければならないという人以外は、要約版を熟読した方がカトリック信仰の基本が身につくような気がする。