大学で先生が映画の紹介をされていて、なんとなく気になっていました。
秋になって、岩波ホールで映画が上映されるらしいと知り、本屋で偶然本書を見つけました。購入。
小説を読んで、それから映画を見ました。
「待つ女性」の物語には、楔のように悲劇の暗示が打ち込まれる。ポーランドが歴史の流れに組み込まれるその瞬間を生きた女性たちの物語は、故に哀しい空気に満ちていて、幻想的ですらあります。それでも小説版は当時を現在と繋ぐわずかな光のようなものを内包していて、どちらかと言えば峻厳というよりは穏やかな空気が流れているように感じます。
映画が交響楽、小説が室内楽と、巻末にムラルチクの言葉が引用されています。「待つ女性」の視点のみで構成された小説を読んだ後で僕は映画を見ました。だからこの言葉の意味もわかるような気がします。映画のラストシーンの衝撃は、そのままアンジェイ・ワイダ監督の祈りを表しているように感じて。
岩波ホールの上映期間はもう終わってしまったことと思います。このレビューを書いている時点では、全国で上映中の場所や上映予定の場所があるはずだし、恐らくはいずれDVDなどで発売がされるでしょう。
小説を読んで、それから映画を見ることを勧めます。