西尾チルドレンだと思うと肩すかしを食らう危険大です。あまり先入観を持たずに読むのが吉。
このシリーズは近年希にみるストレートな内容だったと思います。表面的な要素は西尾・遠野作品などを彷彿とさせますが、作中において所謂中二病な要素はキャラクターの「未熟さ」を際立たせるための物でしかなく、実際に読んだ感覚にはかなりの違いがありました。
主人公とヒロインは迷いまくります。これでもかというくらい。さんざん彷徨ったあげく、作中に明確な答えは提示されません。しかしそれは問題ではないのです。彼らはまだ若造なのですから、すぐ答えを掴まなければならない訳ではない。この作品の中で魅力なのは、彼らの真っ直ぐさ。捻くれたり、わかったような言葉で誤魔化したりせず、直向きに問題に取り組もうとするが故に、衝動的に無茶苦茶なことをやってしまったり、思いっきり鬱ぎ込んだり、恥ずかしい台詞を大声で叫んでしまったりする。若いですよ、青春ですよ! 中二病をここまでストレートに描ききる筆者の技量、あと、度胸(笑)に好感が持てました。
一貫していい意味での青臭さが溢れていて、読後感は非常によい物になりました。内容や後書きから見る限り、筆者はこの青臭さを意図的に描いているようなので、次回作にも期待しています。