映画の公式サイトを見たら、「SAW」のプロデューサーによるサイコ・ハラスメントスリラーと書いてあったので笑ってしまいました。なるほど、確かにホラーじゃなく「サイコ・ハラスメントスリラー」です。ハラスメントというのがホントにピッタリ。
パリの地下墓地を舞台に選んだのはいいし、絵はちゃんと撮れてます。映画の冒頭に注意が出るくらいフラッシュを多用して、地下の暗闇をうまく描いています。
主人公(シャニン・ソサモン)が精神不安定という設定もなかなかうまく出来てます。
で、シャニンの姉はビッチで、若者というかバカ者というか、そんなやつらが集まったカタコンベでのパーティーにシャニンを連れて行きます。シャニンはよい子なので、ビッチたちが裸になって騒いでいても距離を置いております。
その後の展開が「ディセント」とか「レイジ34フン」とか「HAZE」を連想させます。このあたりはなかなかよくて、ちょっと感心しました。暗闇の怖さがちゃんと出てました。娯楽映画としてはありえなくくらいの真っ暗な画面の連続。まったくの闇がかなり長い間描かれる場面もあります。
しかし結末がひどいです。
この映画、そもそもグワーンと巨大な音がしてクワッと何かが出てきて主人公が「きゃーっ」と言ったら実は何でもない、急に別の人が現れただけでした、みたいな場面を延々と繰り返しており、だんだんそれがどーしたと腹が立ってきます。昔「エクソシスト」で天井のねずみが音を立てたとき、満員の客席がどよめきましたが、それはその他の場面が緊迫していて、怖かったから。そういうフェイクみたいな脅かしは1〜2回なら効果的ですが、連発ではどーしようもありません。その場その場で驚かせるのを優先し、全体で恐怖を描けなかったという印象でした。
主人公のシャニンはドレスみたいな服で地下の暗闇を這い回り、時々胸が見えそうになったりして、ちょっと良かったし、闇を見せる演出もなかなかだっただけに残念です。
話が話なので仕方ないですが派手なスプラッター場面もなし。たんなるハラスメント映画でした。