プロットなど意に介せず、とにかく世界の過剰化と単純化をなしとげんとする実験マンガシリーズだ。
近年のカスミ伝に比べれば、まだまだ夾雑物の多い表現だが、むしろそこが(絵の質ともあいまって)可愛らしいところでもある。
その特質としては、ギャグ表現を(マンガが描かれ物であることを逆手にとって)より単純で平面的で手法的に表しているところである。だが作者の手抜きさえ利用する、作品成立の背景をえぐり取るやり方で、むしろマンガという描かれ物の現実を豊かにしようとしている、そういう面もあるのだ。
それはつまり、作品という物の特質を一本化して、それをより先鋭的に突き詰めると言えば分かりやすいだろうか。
小難しいことを書いたが、とにかく読んで、この「方針」としてのマンガ世界を知って欲しい。