この作品、米国での評価はいたって低かったという。ベトナム戦争時の恥部を、ここまでさらけ出した映画はちょっとほかに見あたらないから、それも当然と言える。監督のデ・パルマはベトナム戦争当時は、どちらかと言えば徴兵忌避派(その信条はベルリン映画祭受賞作品「GREETINGS(日本劇場未公開・ビデオ題名:ロバート・デニーロのブルーマンハッタン)」で吐露されている)だったから、真面目に戦争と向き合っていた者からすれば、後からこんな映画で当時を揶揄されるのはかなわない、という反発のほうが大きかったのだろう。しかし、そうした事情を割り引いても、この映画を作った製作者たちの見識の高さと勇気には大いに賞賛の声をあげたい。中盤、マイケル・J・フォックスの主人公が「人が簡単に死んでしまうからこそ、もっと慎重になるべきなんだ」と話す言葉に、この映画の重要なメッセージが込められている。ベトナム戦争映画としては、比較的埋没した存在に甘んじてきたが、他のデ・パルマ映画の秀作群(「アンタッチャブル」「カリートの道」「スネークアイズ」等)と比しても決して遜色のない、いやそれ以上の圧倒的な衝撃を見る者に与える傑作だ。洋の東西を問わず、自分の足元を見ようとしない人が多くなってきている今こそ、再評価をしたい映画だ。