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カジムヌガタイ-風が語る沖縄戦 (モーニングKC (898))
 
 

カジムヌガタイ-風が語る沖縄戦 (モーニングKC (898)) [コミック]

比嘉 慂
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

外に敵。内にも敵。
受け入れがたき戦争の真実を描く、読み切り6編を収録!


著者について

比嘉 慂
1953年沖縄県那覇市生まれ。公務員生活20年の後、創作活動に入る。代表作『カジムヌガタイ』。現在は週刊モーニングに読み切りシリーズ『美童物語』を不定期連載中。

登録情報

  • コミック: 296ページ
  • 出版社: 講談社 (2003/7/23)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4063288986
  • ISBN-13: 978-4063288988
  • 発売日: 2003/7/23
  • 商品の寸法: 18.2 x 13 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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34 人中、32人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:コミック
比嘉慂さんの作品との出会いは3年位前でした。沖縄の戦時のことなどは学校でも突っ込んで教えないのでぼんやりとしか知らず、また正直な本音は興味もありませんでした。しかし、比嘉さんの漫画を読むと沖縄の人たちの敵は内にも外にもいて本土の人間(これが「内」の敵だったりする!)の倍の苦しみを乗り越えられてきたことを知りました。重苦しい「反戦」一辺倒を謳っているだけでなく、もっと何か、静かに訴えてくるものをこの人の作品の中に感じます。出版されていない作品ももっと読みたいですね。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:コミック
終戦間際の沖縄の離島には、離島残置工作員と言われる中野学校出身の軍人がいた。本書の最後の章、イシムヌガタイに出てくる轟先生は、その中の一人である。

偽名を使い、学校教師として西表島の隣の嘉例島に赴任してくるが、ある日、突然に軍服姿で島民の前に現れて、軍刀を片手に島の最高権力者として振る舞い始める。そして、マラリアの蔓延していた西表島への島民の疎開を主導、多くの犠牲者を出した。

他の章は、沖縄戦の事実に基づいてはいるものの、フィクションとしての色が濃いが、この章は別だ。轟先生の離島での独裁者としての姿や、終戦時の変わり身の早さ、その苛烈かつ奇妙なキャラクターゆえに、一読して実際にあった話とは信じがたいが、これだけ入り組んだ話をわざわざフィクションとして仕上げる理由もない。轟先生と通詞巡査とが戦うラスト以外は、ほとんど実話に基づいている。嘉例島は波照間島のことであり、轟先生は実際には、山下と名乗った。

通常、諜報・謀略活動を使命とする者が、自分の行動を吹聴することはないのだが、波照間島の山下先生の場合は数少い例外で、沖縄の本土復帰直前に刊行された陸軍中野学校 終戦秘史 (現在は新潮文庫)の中で、波照間島へ赴任した経緯と島への愛情、司令部と島民の間に立って使命を果たす誠実な軍人ぶりを語り、全く山下先生のことをそう思っていなかった波照間島の大部分の人々の怒りを買った。

沖縄に派遣された中野学校出身者の活動は、彼らの本名を含めて、ある程度まで明らかになってきている。彼らは戦争末期に大本営から送り込まれた、少数精鋭の極めて強い意思力に持った優秀な軍人であり、撹乱、破壊工作、ゲリラ戦を目的とした住民の組織を使命とした。山下が自ら回想するような好人物が、務まるような仕事であるわけがない。

おそらく、八重山を訪れる人の大半はこのマンガの存在を知らないだろう。遠い昔の話だと思うかもしれないが、離島残置工作員の活動、戦争マラリアの実態が世の中に知られたのは、年号が平成になってからである。読後、奇妙な物語を読んだと言う印象が残ったら、是非とも、轟先生が本当はどのような人間であったか、ネットで検索をして調べてみて欲しい。
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13 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 放蕩息子 VINE™ メンバー
形式:コミック
この作品集に収められた六つの物語は全てフィクションである。しかしここにモチーフとして描かれたモノやコトは、そのほとんどが60数年前の沖縄で実際に起きた事実がベースになっているということを知れば、そのことにまず、驚く人も多いのではないだろうか。

沖縄戦を生き延びた人々の中には、「米軍よりも日本軍の方が恐ろしかった。」「米兵よりも日本兵の方が憎い。」という人が沢山いるのだが、「なぜ?」と疑問に思う人は、この作品集を読めば良い。沖縄戦下を生きた沖縄の庶民のリアルな姿を、“ヤマト”の我々に対して、親しみ易いコミックという形式で紹介した意味は、歴史的に見ても極めて大きなものだと思う。

ただしこの作品集に描かれたものが、日本軍や米軍の理不尽に対する怒りだけだと勘違いされては困る。「米軍とウチナーンチュ」「日本軍とウチナーンチュ」の対立はそのまま、「国家権力と一個人」との対立に重なっており、読後の印象に強く残るのは、むしろ、「軍隊」や「国家」という圧倒的な暴力に晒されながらも、それに屈することなく、自らの内なる正義を貫いて生き抜こうとする沖縄の庶民の逞しく、美しい姿である。その姿は時代を超えて現代の私たちに、人が人として生きることの気高さを教えてくれるだろう。

60数年前の沖縄で何が起こり、誰が何をしたのか。何も知らずにただ白い砂と青い空のリゾートだけを求めて沖縄を訪れる多くの観光客の皆さんには是非、この本を読むことをお薦めしたい。あなたが白いパラソルを広げるその砂浜の下には、60数年前の戦争で、信じ、裏切られ、辱められ、殺された、多数の沖縄の民衆の血と骨と涙とが埋まっているからだ。

しかしそれにも関わらず、その砂浜の下の白い骨たちは、彼らを裏切り、犯し、殺した者たちの子孫である私たちを、穏やかな笑顔で許すことさえするだろう。沖縄とはそういう土地であって、沖縄がそういう土地であることを理解するためにも、私たちはそこに、白い骨が埋まっていることを知る必要がある。
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