幼い頃に満点の星空のもとでボイジャーを探し、夢を語った幼馴染みの4人。
そこから数十年が経ち、その中の一人、シュンが肺癌に侵されてしまう。
死を前にした彼は、数十年振りに故郷に帰り、過去の思い出と現在の暮らし、そして自らの生と死に向き合った。
そんな感じの、重松さんが非常に得意としそうなタイプの物語です。
あとがきを読む限り、重松さん自身も、かなりの手応えを感じた作品のようで、
実際、力作だと思うし、精緻な心理描写には思わずぐっときてしまうことも多々ありました。
だけど、とにかく長い。
冗長としていると言うべきか。
上下巻合わせて、800ページちょっと。ページ数だけ見ても短い物語だとは言えませんが、
ページ数以上に長く感じます。
感傷的で、読み手の心を揺さぶる表現も、連続して使えば「くどく」感じられてしまいます。
テーマも重く、勢いもほとんどないので、途中だらけてしまったのが正直なところです。
このような作品を真っ向から書けるのが、この作者の良いところではあると思いますが。
「疾走」もかなり長かったですが、あちらは圧倒的な勢いと筆力であっという間に読み終えたものです・・・
疾走のような異色作はともかく、重松さんの十八番であるこのような種類の作品は
短くはなく、長すぎずもなく、といったボリュームに全力を注ぐのが良いのかなと。
もし500ページくらいにこの内容が収まっていたら、作者を代表する作品の一つになり得たと思います。