今、生きているカクレたちの信仰世界を仔細にルポルタージュした貴重な研究書である。仏教や神道と混ざり合ったカクレは、今やキリスト教とは言いがたい、きわめてユニークな日本の土着信仰となっている。キリスト教は徳川300年の禁教下で、教義よりも儀式を重視する、きわめて日本的な宗教となった。カラーページの宗教画は、何度も書き直されているうちに伝言ゲーム的な変容を遂げ、本来の意味からかけはなれた、不思議な絵となっている(表紙)。これだけでも一読の価値があると言えよう☆一方、口伝で受け継がれてきたオラショ(経文)はラテン語で読み直すとカソリックの経文をほぼ正確に伝えている。