この作品は「せきしろ」と「又吉直樹」の2人が交互に一行の自由詩を書き、その間に適宜エッセイや写真が挿入されている一風変わった構成になっている。
一行自由詩は、タイトルの「カキフライが無いなら来なかった」がまさしくそうだが、二人が日常生活で感じたことや気になったことが、ぼそっとつぶやくように書き綴られており、面白いものやなるほどと思うものもあれば、よくわからないものもある。
挿入された写真は、綺麗なものや美しいものは皆無で、一番多いのは標識や看板や掲示板だ。どこでもありそうだが少し変わった形をしていたり、少し面白い言葉が載っているところが共通点か。
エッセイはどれも面白い。二人とも世間にうまく溶け込めるタイプではないようで、世間から少し外れている自分が感じたこと、体験したことが、軽妙に物悲しく描かれている。特に「ファーストキスが太宰の命日」と「バイト先で二番目で面白いらしい」には、はまりました。
以上が、渾然となって独特の味わいを醸して出しており、何だこれは思いながらも、結構引き込まれてしまった。