市場がカオスであることの提言、カオスの状況の解説そのものは頷けるものが多いです。これについては現在の市場を俯瞰する上で役には立ちます。
しかし、ではカオス下で如何なるマネジメントが効果的なのか、という点については全くお粗末な内容しか提示されていません。まともなマネジメント書籍であれば既に提示されているものばかりです。読む価値はありません。
現在の市場は複雑系科学の知見を借りなければ紐解けないことは最近言われていますので、複雑系をベースとした体系的なマネジメント書籍を探していましたし、ドラッカー等の先人の延長線上に本書を書いているという本文中の触れ込みがありましたので読んでは見たのですが、全くの期待はずれでした。
ドラッカーの『乱気流時代の経営』原著初版1980年や『イノベーションと企業家精神』原著初版1985年をじっくりと読んだほうがはるかに役に立ちます。
ドラッカーのこれらの書籍から20年以上経ったあとで書かれた本書ですが、ドラッカーほどの知見はなく、かえってドラッカーの凄さを再確認させてくれる程度のものでした。