カオス解析に関する書籍は非常に少ない。その中でもこの書は完成度が高いと感じた。深入りもせず、浅過ぎず、本当に丁度いい程度に仕上がっている。
読者のレベルによって読み分けることができる。初心者なら○章と○章を…、理論的な背景をしっかりと押さえたいものは○章を…といった風に最初に筆者からのメッセージがある。
理論の数学的な記述や証明に関しては数式による説明は回避できないが、それ以外の部分ではできる限り数式による記述を避けているようにも感じた。しかし、巷にある「よくわかる」といった類のものとは異なり、必要な数式は記載されていおり、さらに文章による説明も丁寧なため、数式が苦手な読者も比較的安心して読むことができる。
また非常にRefrenceが豊富である。本文中の記載方法が番号であり、さらに末のReferenceはアルファベット順になっていないことが悔やまれるが、いざという時には役に立つ。
私は数式が苦手だが、今までに読んだカオス解析に関する書籍の中で最も直感的に理解できた良書である。