ノーベル賞受賞者のプリゴジンの所で学んで来た人だそうです。プリゴジンの著書「存在から発展へ」等で展開されている、巨視系の時間対称性破れが系固有の情報から抽出される、という主張をカオスマップとビリヤード系を用いて実例を示した仕事が紹介されています。
内容としては、Ruelle-Pollicott共鳴とSinai-Ruelle-Bowen測度が不可逆性に果たす役割を示し、時間発展作用素が時間対称性を持つにもかかわらず現実的には時間発展非対称性が現れるしくみ(現実に用意できる初期条件の滑らかさが原因)を、簡単な写像の力学モデルで示しています。数値的にルエル共鳴を計算する動きも出て来たようで、よりリアルな系での不可逆性の現れのストーリーがどう展開するのか今後楽しみです。